移転価格について 2
米国税庁は日米租税条約に基づいて、日本の国税庁を通してトヨタにたいし、75年中に米国に輸出した乗用車に関する製造原価、日本国内ディーラーにたいする販売価格の決定方法など詳細な「企業秘密」の提出を求めてきているといいます。
・・・これにたいし、トヨタは、米国税庁調査官の日本派遣を拒否し、「自工、自販と米国トヨタの間に支配従属関係はなく、従って内国歳入法の適用は不当」としています。
自販は自工の持株50パーセント超の子会社となっておらず、米国トヨタは自工、自販の折半出資です。
そのため、形式的な持株比率のうえからいえば支配従属関係はないということになりますが、実質的にはそうでないことは誰の目からも明白です。
国内法で移転価格をきびしく規制しているアメリカにおいてさえ、実務上どれが移転価格であるかの判断は至難とされています。
J・コールドはその著『多国籍企業』のなかで以下のように指摘しています。
「どんなに複雑な租税制度をつくっても、振替価格操作の仕組みを完全に無能力化できるとは思えない。」